御墓山(おはかやま)伝説【大菅】

御墓山

石碑

御墓山登山入口付近にある石碑

御墓山(758m)は、日南町大菅と島根県の広瀬町西比田(にしひだ)が接する県境上にある。山へ通じる入口にある巨岩の道標は、山上村で矢原神社の神主をしていた内藤岩雄が呼びかけ、御墓山宣揚のために建てたものである。

イザナミノミコト

古事記によると、イザナミノミコトは夫のイザナギノミコトと多くの島々と神々を生み、最後に火の神カグツチを生んだがために、イザナミは体を焼かれて死んでしまう。

八石谷(はっこくだに)

イザナギは怒りのあまり、剣を抜き、カグツチの首を斬り落としてしまう。その血は、まわりの岩群(いわむら)に飛び散り、そこから八柱(やばしら)の神が生まれた。大菅にある八石谷は、その八柱の神が生まれた地だといわれている。

比婆(ひば)ノ山

イザナミの遺骸は「出雲の国と伯岐(ははき=伯耆)の国との境 比婆ノ山に葬(かく)し奉った」と伝えられている。
『日野郡史』には、イザナミの葬られた地“比婆ノ山”は、御墓山のことだと伝えられているという記述がある。
比婆ノ山の場所については諸説あり、御墓山のほかに、南部町の母塚山(はつかさん)、安来市比婆山、庄原市比婆山など各地に伝説が残っている。

<参考文献>
『日野郡史』『阿毘縁のあゆみ』『口語訳 古事記』